勉強で『わかる』人と『できる』人と『100点』の人の決定的違い

まず、質問です。

  • あなたは、掛け算九九は分かりますか?
    『しちし?(7×4)』
    と聞かれて、0.1秒で
    『28!』
    と言えますか?
  • あなたは、
    『垂直二等分線を作図してください』
    と言われて、イメージがわきますか?
    そして1秒後には作図を始め10秒で完成させられますか?
  • あなたは、
    『サイコロを3回投げて1の目が少なくとも1回出る確率は?』
    と言われて、最初に考えることは何ですか?
    そして1秒後には「サイコロを3回投げて1の目が1回も出ない確率」を求め始めていますか?

小学校から大学受験まで、テストの成績を上げ、果ては満点を取るために必要なことが上の文には込められています。

「わかる」と「できる」の違いをきちんと理解してますか?

分かっただけじゃできないし成績も上がらない!

テストで点を取るためには問題が「できる」必要があるわけです。

ところが、多くの成績の上がらない子はこの「できる」と「わかる」をごちゃまぜにしています。

当たり前だけど、問題を解くとき最低限解き方や考え方を分からなければ解けない。

例えば、『垂直二等分線を作図してください』と言われたら、線分を書き、線分の両端を中心とした二つの円を互いに交わる大きさで書き、二つの円が交わった2点を通る直線を書けば良いわけです。

垂直2等分線の作図
垂直2等分線の作図                                                   

学校や塾で垂直二等分線の作図の仕方を初めて教わったとき、『意外に簡単だな』と思ったかもしれません。
「わかる」のはきちんと説明を受ければそれほど難しいことではないのです。

でも、いざ自分でやってみると『あれ?まず何するんだっけ?』となる子は多いのです。

あるいは取り掛かれたとしても『まずはコンパスで円を描くところからだ』などと間違った手順も交えながら思考錯誤の末にやっと完成、という子も多いでしょう。

こういうのは「できる」とは言いません。少なくとも私は「できる」とは認めない。

もっと簡単な掛け算九九でもそうです。

『しちし?(7×4)』

と聞かれて『なんだっけ?』ならば初めから教えるわけで「できる」以前の問題ですが、

『え~と?あ~・・・28?』
『えっと・・・しちいちがしち、しちにじゅうし、しちさんにじゅういち、しちしにじゅうはちで・・28!』

という状態ではダメなんです!

こういうのも「できる」とは言いません。少なくとも「できる」とは認めない。

受験やテストには制限時間があり、ゆっくり思い出す時間などないのです。

学校の授業でも少数の掛け算をやろうというときに『しちし・・・え~と?あ~・・・28?』という状態では、肝心の少数点の扱いだとかに理解が及ばなくなってしまいます。

学校や塾で説明を聞いて「わかった」と子供が言っているわりに成績が上がらないのは、この「できる」状態になっていないからです。

「できる」というのはどういう状態かと言うと、「瞬時に」答えを出したり、正しい手順で問題に取り組み始められることを言います。

『しちし?(7×4)』と聞かれて0.1秒で『28!』と答えられる状態を言います。

『垂直二等分線を作図してください』と言われたら、1秒後には定規を持って線分を引き始めている状態を言います。

子供が勉強しているように見えても、塾に行っていても、たまに今やっている単元の問題を出してみてください。「瞬時に」答えなり解法なりが出てこなければ、その子はまだ勉強していない状態に近いです。

でも子供本人は「わかる」と思っているかもしれない。実際「わかる」のかもしれない。
それでそこそこテストで点をとれると、子供は何となく思っているわけです。

もちろんテスト本番で撃沈します。

「授業はわかるのになんでテストになるとダメなんだろう」

そういう子(そして多くの親)はたくさんいますが、「できる」まで到達してないわけですね。

俗に「分かったつもり」とか「本番に弱い」とか言われますが、そういうあいまいなことじゃないんです。

単に「できない」だけ。

成績を上げるためには「わかる」状態で本人が満足しているところから、「できる」状態にしているかどうか厳しくチェックしなければなりません。ここに、成績の壁が一つあります。大変だから。

分かってできただけじゃ、成績は上がらない

テストで点を取るためには、たくさんの問題が「できる」必要があります。

たくさんの問題で「瞬時に」答え・解法を出さなければなりません。

掛け算九九のテストで「しちし28!」と瞬時に言えても「はちに?え~と?あ~・・・16?」ではダメなのです。

たくさんの問題を解ききれずテストの制限時間を超えてしまうかもしれません。

テストで高得点を取るためには、たくさんの「できる」を作る必要があるわけです。

80点以上取る子はテスト範囲に対してほとんどの問題で「できる」状態にあります。
突き詰められていない状態ですね。

90点を超えてくるような子は基本的にすべての問題に対して「できる」状態にあります。

何かの勘違いやケアレスミスで少し減点されて90点になるわけです。

100点を取る子は、そういった細かいミスまで気づく人です。

でも、「できる」を増やすためには当然それなりの努力の量が必要です。

ここに成績の壁がもう一つあります。大変だから。

あなたの塾・家庭教師は「わかる」を「できる」にしていますか?

学習塾・家庭教師は、子供の成績を上げるためにいます。

ほとんどの塾・家庭教師は授業を聞かせ、指導をして「わからせる」のはできます。(それすらできていなかったら、控えめに言ってもヤバイ)

でも、「できる」まで面倒を見る塾・家庭教師、となると割合は大きく落ちます。

さらに「できる」をたくさん増やすまで面倒を見る塾・家庭教師、となるとさらに減ります。

なぜなら、講義をしたり、ワークの問題解説をしていることが主体の塾・家庭教師がほとんどだからです。

そんなのスタディサプリとかでいいんですよ。月2000円くらいだし。

大切なことは、2つの成績の壁を越えさせようという仕組みに塾がなっているかどうかです。

「わかる」に満足してしまっている生徒に「できる」まで追い込めるかどうか、たくさんの「できる」を作らせるまで生徒を追い込めるかどうか。

子供が通う塾・家庭教師はそこまで面倒を見てくれていますか?