子供を東大に入れる子育ての方法・・・とか真に受けちゃう親へ

定期的に湧いてくる「東大に子供を合格させた親が語る勉強好きにさせる7の方法」とかいう記事。

見たことありませんか?

題名は私が適当に考えたものですが、似たテイストの題名はYahooのトップニュースをしばしば占拠します。

ニュースのライターや編集者がセンセーショナルに作っているのもあるけど、「東大」と「子育て」と「方法」とかいうキーワードがあると親として「なんだと・・・!」という気分でクリックしてしまう気持になってしまいます。

私も親ですからわかります。

一方、塾経営の私としては「世の中そんなに単純じゃねー!」と思って斜に構えるわけでもあります。

実際そんな単純じゃないわけですよ。

田んぼと畑が多い田舎から息子が東大に現役合格した母

yahooのトップニュースに上がりそうな見出しですが、これは私の母のことで実話です。

ただし現役で東大に行ったのは私ではありません。兄です。

身近に「子供が東大に合格した親」がいたわけですから、世の中にあふれる「東大に合格するための子育ての方法」など役に立たないことがよくわかります。

なぜなら、私の兄は彼自身だったから東大に現役合格したわけです。

何言っているかわかりませんね。

兄がいた環境、兄の才能、兄が選んだ様々な進路、決定、そして親、それらすべて私の兄独特のもので、たまたまそれらが兄とって結果的によかったのかもしれないからです。。

ほかの人が私の兄と同じ環境・方法をとっても東大には合格できないはずです。

母や父が作った(自然にできた)環境がたまたま運よく兄の東大合格には良い方向に作用したのかもしれません。

実は意味がなかったかもしれません。

母は「読み書き算数」の重要性をよく解いていて、私もその通りだと思いますが、それが兄の東大合格にとってどの程度影響があったかわからないわけです。機械で測れるわけじゃないですからね。

もし兄が少し違う性格をしていたら、「読み書き算数」をきちんとやらせるのではなく、虫取りに行かせたほうが東大合格に近づいたかもしれません。

でも、わからないのです。何が影響したのか、どれだけの要素がどれだけ影響したのかなどわからないのですから。

ゆえに、母はよく冗談で

『私も「田んぼと畑ばっかりの田舎から東大に合格させた母」とか言って講演や本書いたりできるかしら!』

などと言っていますが、

『結局のところ何がよかったかなんてわからない。そんな講演に出たら赤っ恥だよ。』

と印税や講演料はあきらめています。

東大合格に好影響と思しき要素(読み書き算数をきちんとやらせる、など)はたくさんあるわけですが、あくまで「思しき」であり、ひょっとしたら悪影響なものもあったかもしれません。

兄にとってはよくとも、別の子供にとっては悪影響、なんてことも十分ありうるわけですよ。

ひょっとしたら、好影響と思われることを3つ組み合わせたら、その子にとっては悪影響、なんて可能性もあるわけです。

野山で自然に触れる機会を増やし、読み書き算数をきちんとやらせ、友達ともしっかり遊ばせる、なんてやったら子供はオーバーワークでパンクするかもしれません。

この場合、東大どころじゃないわけです。

世の中の「子供を東大に合格させる子育ての方法」実行できますか?

世の中には様々な「子供を東大に合格させた」というコンテンツがあります。

売り上げからみた見出しの都合で親本人はそうではないと信じていますが、合格「させた」など、さも「親の教育や姿勢が優れていた」と親本人が思っていたら・・・

まあ、それはさておき多くの「子供を東大に合格させた」コンテンツを見ると、各家庭それぞれが独特なやり方をされています。

  • 「テレビをみせない」「ゲームはさせない」
  • 子供の話をよく聞く
  • 難関私立中に合格させ、勉強する環境を整える
  • 幼少期の本の読み聞かせ
  • 新聞を読ませる
  • 自然体験をさせる
  • ピアノを習わせる
  • 英会話を早めにやらせる
  • 勉強場所はリビングで
  • 基礎学力の先取り
  • 「勉強しなさい」とは言わない
  • 恋愛はNG

挙げればキリがない。

しかし先ほども言った通り、「ゲームをさせない」が東大合格に関してその子に合っているかどうかなんてわからないわけです。

私の兄など勉強に飽きたら普通にプレイステーションしてましたからね。

私は東大合格してませんが、数学以外に日本史が好きで、歴史好きは「信長の野望」からスタートしています。私の子供も小学5年生のときには縄文時代に黒曜石が武器に使われていたということを解説できるくらいには歴史が好きなようですが、始まりは「三国無双」です。

仮に、先に挙げた12個の要素が東大合格に関してあなたの子供に合っているやり方だとしましょう。

あなたはこれらをすべて実行できるでしょうか。

あるいは、そのほかの東大合格のために良いとされる方法をたくさん実行できるでしょうか。

多分無理だと思います。

親がつぶれます。

子供にもいろいろな子育て方法について「合う・合わない」があるのと同様に、親にとっても「合う・合わない」があるのです。

「子供を東大に合格させた」なんてメディアで出ている親も、彼らそれぞれ独特で、あなたたち親と同じではありません。収入も違えば使える時間なども違い、趣味や性格、ゆずれないものなども違うはずです。

彼らだからこそ、その方法は実行できたのです。

私ならば「ゲームをさせない」でもう無理です。私がゲームをするからです(私にとってはゆずれないものです)。

「子供のためなら親は我慢できる」という意見もわからないでもないですが、無理をすれば大変なのは親です。

親はそれぞれ子育てだけでなく仕事もあれば、家事もあり、やることは年々ますます増えていて余裕はなくなっている家庭も多いでしょう。

東大合格の前に家庭が平和であることがまず大事ですよ!親の人生にとっても、子供の人生にとっても。

東大合格なぞ、子供がたまたま達成するものだと思ってください。

遠い将来のことをあれこれ考えても、合うか合わないかわからないわけです。

それよりも目の前の今やるべきことを一生懸命やるべきではと自戒も込めて思います。