算数のケアレスミスは無くなりません!ミスが起こる前提で考えましょう!

大学入試共通テスト(旧センター試験)の数学で満点を取るための条件ってご存知ですか?

あくまで私の基準ですが、少なくとも試験時間の3分の2くらいで全問解ききらなければ満点は取れません。

残りの3分の1の時間はどうするかって?

寝るわけじゃありませんよ?

見直し!というかもう一度最初から真剣に解き直すのです。

それでケアレスミスをつぶすわけですね。それができれば満点が近づきます。

『ケアレスミスに注意しなさい!』は無意味

中学受験の現場だと、親が子供に『あんたはケアレスミスが多いからもっと計算練習しなさい!』とか指導していることはよく聞きます。

大学受験生でも、『ケアレスミスが多いからもっと練習しないと』とかやっている子がいます。

たいていこういう人は合格から遠のくことが多い気がします。

なぜなら、どんなに注意しようがケアレスミスは起こるからです。

どんなに計算練習をしようが、計算スピードは上がるかもしれませんが正確性は割とすぐ頭打ちです。

本人の性格や特性による部分が多く、どうしようもないことがあるからです。

ケアレスミス対策で計算練習するくらいなら、他の応用問題をやるとか苦手な教科をやるとかしたほうが合格は近づきます。

それでも『でも、計算練習しないとケアレスミスが・・・』と思う頑固な人は一つの事実をお教えしましょう。

私はそこそこ難関大学の模試で数学の偏差値70とか75とか取っていた人間です。

今でも数学を教えたりするわけですから、ずっと入試問題を解いたりしているわけですね。

そんな私ですが、受験生の頃から今の塾稼業にいたるまでケアレスミスばかりしています。

0を6と間違えたり、3だと思っていたのに書いていたのは2だったり、符号のミスは枚挙にいとまがありません。

ヘタをすれば生徒に指摘されることすらあります。

(そういう場合は『君たちがちゃんと指摘できるかどうか試したんだよ。よく指摘できてすごいな』と逃げるのが常ですが。)

別に私程度のレベルの人はたくさんいるわけですが、私以上の雲の上のような数学の実力を持つ人でも、同じようなミスは普通にやらかすわけです。

『ケアレスミスは防げない』というのが結論になるわけですね。

ゆえに計算練習などそこそこスピードがつけば十分なわけで、正確性を突き詰めるためにやっても無意味なわけです。

よって『あんたはケアレスミスが多いからもっと計算練習しなさい!』は子供にとってほとんど利益がありません。

ケアレスミスが起こらなかった時の点数が実力ではない

スポーツの世界だとよくあるのですが、『緊張しないで普段の実力が出せれば勝てたのに・・・』とか言う人がいます。

そのように言う人には『緊張したときのあなたが本当の実力だよ』という言葉をお届けしたいです。

スポーツの世界では試合で誰もが緊張するわけで、緊張しない試合は相手が弱すぎて勝つのが明らかな場合か相手が強すぎて負けるのか明らかな場合かどちらかです。ゆえに実力が近い相手との試合では緊張するのが日常なわけですね。

ですから普段の練習から緊張した場合を想定して練習をしなければなりません。

私はテニスを長くしていたのですが、練習中に最も練習したことは速いボールでもコーナーギリギリを狙うことでもありません。『絶対にこれならコートの中に入れられる』という打球を練習していました。

試合になれば緊張して速いボールはヘロヘロになるし、コーナーを狙うなどもってのほかです。

どんなに緊張しても『とりあえずこのうち方をすればコートに入る』というボールを持っていれば安心して試合に臨めるわけですね。

このように緊張しても安心できる武器を持つことが大事なわけですね。

これはケアレスミスでも同じようなことが言えます。

『ケアレスミスが起こらなければ100点なのに・・・』はよく聞きますが、ケアレスミスが起こるのが通常なのは先ほど説明した通りです。

ですから、ケアレスミス込みの状態が本当の実力なのですね。

ゆえに、『ケアレスミスが起こらなければ100点なのに・・・』は本当の実力ではなく、本当の実力は80点とか90点だと自覚しなければなりません。

『ケアレスミスが起こらなければ合格点なのに・・・』ならば、本当の実力は合格点には足りない状態だということです。

もし合格点が70点ならば、日常で80点程度は取れる実力がなければなりません。

試験で100点を取ろうと思ったら、普段の勉強では他人の半分くらいの時間で100点をとれる実力がなければ無理です。

このように、普段の練習や勉強で見えている実力は本物の実力ではありません。

緊張したりケアレスミスしたりする状態での点数が本来の実力だと素直に認める必要があります。

そこに立てば、『ケアレスミスを減らそう』ではなく、もっと建設的な解決策が出てくるでしょう。

ケアレスミスは無くならないが見直しを放棄してはダメ

『ではケアレスミスが無くならないのならば見直しはいらないのか』とか言う人がいないとは思いますが念のため・・・

見直しは起こったケアレスミスの数を減らすことができる唯一の方法です。

起こるケアレスミスを減らすのはとても難しいですが、起こったケアレスミスを減らすのは割と簡単です。

たいていケアレスミスのポイントとは決まっているわけですから。

例えば私は数学の解答を見直す際は以下のポイントに注意します。

  • プラスマイナスの符号間違い
  • 問題の写し間違い・読み間違い
  • 途中式で1行目から2行目、2行目から3行目と書く中で数字の写し間違い、移項の間違い

見直しの時間がない際はもう本当にこれだけです。

見直しの時間がある場合は解き直しをします。こういう場合は満点が狙えます。

このように、自分なりによくあるケアレスミスのポイントを押さえ、そこを重点的にまず見るようにするといいですね!

繰り返しますが、ケアレスミスが起きたときの点数が実力です。

そこが分からない人はまだまだ状況に甘えているということですね。