学校や学校の先生に過剰な期待をするのはやめ現実を見よう

公立小中学校の先生は異常に忙しい

小中学校の先生、特に公立の先生というのは何かと批判の対象となりやすい職業です。

よくあのようなストレスフルな環境で働けるものだと、個人的には強く尊敬しています。

授業準備に、生徒の生活指導、放課後の事務仕事、下手をすると部活の指導、さらに下手をすると保護者の対応。

そして今はGIGAスクール構想だとかいうプロジェクトに取り組まなければならない。

これで、通常のサラリーマンより少し給料が良いくらいなのだからやってられないでしょう。

さて、この状態でクラス30人程度を受け持つとして、どうやって1対1のきめ細やかな対応を実現するというのか。

一般的な事務仕事をする企業で考えてみましょう。

毎日定型の事務仕事、上司への報連相、取引先の対応、終業後の付き合い、これに毎日30人の顧客に1対1できめ細かい対応ができる?しかも新しいシステムに慣れなければならなかったら?

もちろんできないです。

親たちは教師に『なぜうちの子をもっと見てくれないのか』と思いがちだけど、教師は同じようなことを思う親を30人相手しなければならないわけです。

ある親は『うちの子は授業に取り残されている。もっと宿題を出せ』と言う。

別の親は『うちの子は塾の宿題で手一杯だ。もっと宿題を減らせ』と言う。

宿題一つとっても、30人の親たちが思うことは違うのです。

さらに30人の子供たちも思うことは違う。

結果、先生たちは最大公約数的な間をとった無難な対応に落ち着かざるを得ないわけです。

個別の親の期待に応えるには、先生や学校はあまりにも無力なんですね。

まれに能力の高い先生に当たると、あるいは相性の良い先生に当たると、授業も面白く、成績も上がり、クラスも問題を起こさない、もしかすると素晴らしい将来の指針を子供が得る、というようなことが起こります。

こんなのはっきり言えば相当に運がいいだけで、基本的にはそのような先生には当たらないのが世の中普通ですよ。

ゆえに私も親として学校に期待することと言えば、『大ケガをしない』とか『授業中、教室で静かにしていればよい』とかそんな程度なんです。

それ以上は構造的に無理で、成績や勉学のことなど全く期待していない。

少しでも期待すると、逆にストレスが溜まる結果になるのは目に見えてるから、期待しないほうが良いとすら思っています。

もし、生活態度から成績や勉強の進度などあらゆることに一人一人きめ細やかに対応するなら、1クラス、1授業ごとに4人は教師が必要だと思いますよ。

『子供がいじめを受けた』『先生がパワハラだ』『安全管理に明らかに問題がある』などの子供に危険や不利益が及ぶようであれば、先生や学校の都合など知ったことではなく、ねじ込みに行くのだろうが、そうでなければ平穏無事でありさえすればいいです。

子供の学力、学習習慣は親が責任を持たなければならないのが現実

学校や先生たちは年々忙しくなっています。

特に最近では新型コロナ対応もあります。

お役所仕事って知ってます?

何をやるにも報告書が必要なんですよ?

つまり新型コロナの対応だけで先生たちの負担は大きく増えます。そうでなくても、先生たちが忙しいのはこれまで述べた通りなわけで。

最終的に子供ごとに1対1の対応が必要となる成績アップや学習習慣の定着という課題に対して、先生たちは面倒を見ることができない。

知識をつけたり成績を上げるには、継続的な学習習慣が最も大事だが、せいぜい宿題を出すのが精一杯なんですね。

そして、出された宿題に対し、子供たちは真剣に取り組んだり、適当にお茶を濁したり様々な対応をするわけだが、宿題がきちんと意味あるやり方をされているかを、先生たちはチェックする余裕がない(「お前これ答え移しただろ!」と言いたいけど、言うと仕事が回らなくなるから言わない)。

だから、現実的には宿題を始めとした学習習慣の定着には親たちが責任を持ってやらなければならない。

『勉強や学習習慣なんてのは学校や先生の責任』というのは簡単で、実際そういう面もあるかもしれないが、そんなことを言ったところで、先生たちに余裕がないのは確かなのだから、『べき論』は置いておいて、親が責任を持って子供を導く必要があります。

残念だがそれが現実なのです。