高校生、中学生で数学ができない場合、小学校の算数からつまづいている!
そのようなことは日常茶飯事です。
もちろん私がそんな状態を見つければ、高校生だろうが小学校の算数から鍛えなおすわけですが、つまづいている単元ってだいたい決まっているのです。
掛け算九九、割り算筆算、分数の四則演算など、挙げればキリがないのですが、意外なところが「単位変換」です。
76kgをgに直せ。
『うちの子は四則演算はできている』と安心している親は多いですが、単位変換ができていないことは見過ごされがちです。
単位変換ができないと何がまずいのか
「56×78」をしなさい、とかいう単純な数字のみの計算なら筆算さえできれば大丈夫です。
しかし、「56km/時で78分進みました。何メートル進みましたか?」となると、単位変換ができないといけません。
見てわかる通り、文章題になると単位変換は密接にからんでくるわけです。
ここで「56×78」とか平気でやる子はとても多いですよ。
今、例に挙げた通り「速さ」の単元では単位変換を頻繁に行うわけです。
「はじき」がどうという前に単位変換で四苦八苦し「速さ」の単元が苦手になるパターンは多い。
さらに悪いことに中学受験では「速さ」の単元はほとんどの中学で頻出事項なわけで、単位変換などでつまづいていたら、問題を解くどころではないのです。
「速さ」に限らず中学受験では単位変換は頻繁に出てきますけどね。
このように、単位変換は高学年の単元を習う上でも、中学受験を目指す上でも、前提知識として当たり前になっていなければならないのです。
そうでなければ、つまづきの元、苦手の元、算数を放棄する元、果ては数学アレルギーの原因ともなりうるわけですね。
単位変換は体に覚えさせれば困らない
では、単位変換はどのくらいできればいいのでしょうか。
高学年の単元を習ったり中学受験の障害にならないため、どの程度単位変換ができていればよいのか、という目安みたいなのがあればいいですね。
私が提唱する「できる」という状態は基本的には「一瞬で解ける」ことを意味します。
76Lは何㎤ですか?と聞かれて、1秒で76000㎤だと答えられることです。
当ブログでいろいろなところで言及してますが、「できる」とは基本的にこういうことを意味します。
一瞬で解けるためにはどうすればよいのでしょうか。
掛け算九九と同じですよ。
ひたすら繰り返し、目に・口に・耳に・指に覚えさせるのです。
丸暗記はよくない!きちんとした理解が重要!
ごもっとも。
世の中に「単位変換の覚え方」とかいって、ご丁寧に「なぜ1㎥が1000000㎤なのか」ということをきれいな画像つきで解説してくれるサイト、動画などたくさんあります。
「1㎥は1辺が1mの立法体、すなわち1辺が100cmの立法体なのだから100×100×100で1000000㎤なのです」などのように。
理屈はそうなのですが、こういうので頭では理解できても「実際使えるかどうか」はまた別問題です。
一部の頭のいい子だけが、理屈で理解してから単位変換をするのですが、そうではない子がテストや受験で
1㎥は1辺が1mの立法体、すなわち1辺が100cmの立法体なのだから・・・
などとやっていたらいちいち時間がかかりすぎますし、覚えることや考えることが増えてしまいます。
体で覚えて、理屈は後で考えてもいいのですよ。よっぽど頭のいい子でなければ、そのほうが勉強がはかどります。
とにかく繰り返せ!単位変換練習問題作成ツール
単位変換の練習が見過ごされないように、以下のような単位変換だけの練習問題が必要です。
このようなものを、1分以内でなるべく多く解けるようにします。
もちろん、最初は少ししかできなかったりしますが、採点・解説とともに毎日1分ずつ繰り返してください。
上の画像サンプルは下記エクセルツールで作っています。
ご自由にダウンロードしてお使いください。(自己責任で!)
薄青いセルをカラ更新したり、関数を再計算させるとランダムで単位変換の問題が作成されます。
重さ、長さ、水のかさ、時間、面積、体積。
小学校で習う単位変換はすべて網羅されています。
繰り返しますが、単位変換できないと大変ですよ!学校や塾じゃ習った段階で「できて」当たり前だと思われていますからね。
おまけ:小学校の算数で習う単位変換の基礎
時間を表す単位
時間は控えめに言っても超重要です。
「速さ」にも絡んできますし、日常生活でも最も使う単位ですからね。
また単位間の関係が100倍とか1000倍とかわかりやすい関係ではありません。
60倍だったり、24倍だったり。
時間の単位の関係 | 習う学年 | ||
1日 | = | 24時間 | 2年生 |
1時間 | = | 60分 | 1,2年生 |
1分 | = | 60秒 | 3年生 |
1時間 | = | 3600秒 | おまけ |
1日 | = | 86400秒 | おまけ |
単位 | 読み方 |
---|---|
日 | にち |
時間 | じかん |
分 | ふん |
秒 | びょう |
長さを表す単位
長さも重要です。
「速さ」「面積」「体積」など形を扱うものは全部長さがあるわけですから。
長さの単位の関係 | 習う学年 | ||
1km | = | 1000m | 3年生 |
1m | = | 100cm | 2年生 |
1cm | = | 10mm | 2年生 |
1m | = | 1000mm | おまけ |
1km | = | 1000000mm | おまけ |
長さの単位 | 読み方 |
---|---|
km | キロメートル |
m | メートル |
cm | センチメートル |
mm | ミリメートル |
水のかさを表す単位
水のかさは「デシ」という単位が独特です。
とくに中学受験する子は、体積との絡みで「1L=1000㎤」「1mL=1㎤」という関係は重要です。
水のかさの単位の関係 | 習う学年 | ||
1L | = | 10dL | 2年生 |
1L | = | 1000mL | 2年生 |
1dL | = | 100mL | 2年生 |
1mL | = | 1㎤ | 5年生 |
1L | = | 1000㎤ | 5年生 |
水のかさの単位 | 読み方 |
---|---|
L | リットル |
dL | デシリットル |
mL | ミリリットル |
重さを表す単位
重さは算数・数学ではテスト問題としてはあまりでませんが、理科で使用する機会が多いので注意。
1000倍ごとなのでわかりやすいですね。
水のかさ・水の重さ・水の体積が以下の関係にあることも注意。
1mL=1㎤=1g
重さの単位の関係 | 習う学年 | ||
1t | = | 1000kg | 3年生 |
1kg | = | 1000g | 3年生 |
1g | = | 1000mg | 3年生 |
重さの単位 | 読み方 |
---|---|
t | トン |
kg | キログラム |
g | グラム |
mg | ミリグラム |
面積を表す単位
面積は単位が多くて厄介です。でも社会科で使ったりもするので大事です。
読み方も注意です。「へいほう」の後に、メートルだったりキロメートルだったりを言います。
a(アール)は田んぼや畑の面積の計量に使われます。やや狭め
ha(ヘクタール)は田んぼや畑(かなり広め)とか、森林の面積に使用します。東京ドーム何個分(1個あたり約4.68ha)とかいう表現にも使われます。
1帖(じょう)は畳(たたみ)1枚分の広さです。部屋の広さを「帖」という単位で表したりします。畳は地域によって大きさが違ったりするそうですよ。
1坪(つぼ)はだいたい畳2枚分です。土地の広さを表すのに使ったりします。
面積の単位の関係 | 習う学年 | ||
1㎢ | = | 1000000㎡ | 4年生 |
1ha | = | 10000㎡ | 4年生 |
1a | = | 100㎡ | 4年生 |
1㎡ | = | 10000㎠ | 4年生 |
1坪 | = | 約3.31㎤ | おまけ |
1帖 | = | 約1.62㎡ | おまけ |
面積の単位 | 読み方 |
---|---|
㎢ | へいほうキロメートル |
ha | ヘクタール |
a | アール |
㎡ | へいほうメートル |
㎠ | へいほうセンチメートル |
坪 | つぼ |
帖 | じょう |
体積を表す単位
体積は㎤から㎥への単位変換はあまり使いませんが、水のかさの単位との関係は重要です(特に中学受験する子は!)。
面積と同じく、読み方にも注意。「りっぽう」の後に、センチメートルだったりメートルだったりを言います。
体積の単位の関係 | 習う学年 | ||
1㎥ | = | 1000000㎤ | 5年生 |
1L | = | 1000㎤ | 5年生 |
1mL | = | 1㎤ | 5年生 |
体積の単位 | 読み方 |
---|---|
㎥ | りっぽうメートル |
㎤ | りっぽうセンチメートル |