中学生・高校生向け「将来の夢はないです」。全然OK!

「将来の夢はパン屋さん

これが私の小学生の頃の夢でした!

早起きして生地を練り、パンを焼くあの香ばしいにおいに包まれる毎日!なんてすばらしい!

なんて小学生の時本当に思っていませんでした。

端的に言えば、「将来の夢=パン屋」は小学生の学年末ごとに作られる文集や卒業アルバムのコンテンツのためのウソでした。パン屋さんごめんなさい。

しかし「将来の夢、ない」と書こうものなら、親が呼び出され面倒なことになったかもしれません。

実際には小学生のとき、もっと言えば30歳も過ぎたつい最近まで将来の夢なんて持ったこともありませんでした。

そのため、「将来の夢は何か」と無いものを聞かれるのが辛くて仕方ありませんでした。

ちなみに子どもの頃、家の近所にパン屋はありませんでした。近いジャンルでケーキ屋とレストランとガソリンスタンドがあるくらいでした。

中学生になり「将来の夢」を聞かれることがなくなりホッとした記憶があります。

高校受験の時、面接で「将来の夢」を聞かれる可能性があることを知りヒヤヒヤしましたが、結局そんなこともなくラッキーでした。

大学受験はペーパーテストだけだったからよかったですね。

就職面接のときは「将来の夢」という言葉ではなかったのですが、「会社生活で実現したいこと」というような「将来の夢」の亜種があり、10何年振りに捏造した記憶があります。しかもこれは作文ではなくスピーチしなければならないので、自分じゃない人がしゃべっているみたいでしたね。

なお「会社生活で実現したいこと」を聞かれた会社は落ちて、聞かれなかった会社は内定をもらったことはいい思い出です。捏造がバレたのでしょうか・・・。

さて、全国の将来の夢がない小学生・中学生・高校生に言おう!

「将来の夢」などなくても問題ない!

中学生・高校生で進路が気になってくると「将来の夢が決まらないんだけどどうしようか。他の人はなんかあるみたいなのに」と悩むかもしれないけどそんなことない。多くの人はそんな強く「この職業になりたい!」とか考えてないから。

多分あなたとほとんど同じで「将来の夢がいまいち決まらないけど、適当にありそうな職業言っておくか」くらいのもの。

将来の夢がある人に比べて劣っているなんてこともないし、要所さえ押さえればなんとなく人生過ごしてもいいのだ!

あなたの他にも将来の夢がない人はたくさんいる

ちょっと古い統計ですが、調査でも意外に「将来の夢がない」という人はいるのです。

3割から4割くらいは将来の夢がないという結果です。

だからあまり「将来の夢がない」というのも特別なことではないと思ってほしいのです。

Q、将来なりたい職業はありますか?

  小学生 中学生 高校生
  2004年 2009年 2004年 2009年 2004年 2009年
ある 63.4% 58.1% 62.0% 54.2% 66.8% 50.6%
ない 32.6% 35.5% 35.2% 42.2% 31.0% 47.0%
無回答・不明 4.0% 6.4% 2.8% 3.6% 2.2% 2.3%

ベネッセ教育総合研究所、第2回子ども生活実態基本調査報告書 [2009年]、基礎集計表P174から抜粋編集

data_13.pdf (benesse.jp)

カーネルおじさんに子どもの頃将来の夢はあったか

カーネル・サンダースって知っていますか?

かの有名なケンタッキー・フライド・チキンの創業者です。ケンタッキーの店舗の前に立っているあのおじいちゃんの像のモデルですね。

世界的に有名なケンタッキーチェーンを作り上げたすごい人ですが、ここで考えてみましょう。

カーネル・サンダースは果たして小学生のとき「世界的なフライドチキン会社を作ろう」などと夢見ていたでしょうか。

もちろん真相はサンダース本人しかわかりません。ひょっとしたら思っていたかもしれません。

でも彼の人生をたどるとそれはかなり疑わしいでしょう。

10歳から農場に働きに出て、14歳で学校を辞め、16歳には陸軍入隊、以後は鉄道の鉄道の機関車修理工、ボイラー係、機関助手、保線区員、保険外交員、フェリーボート、タイヤのセールスなど40種に上る職を転々とした。

(wikipediaより要約)

wikipediaの書き込みを信じるならば、彼は非常に多種多様な職業を経験しています。

おそらく生活のためでしょう。

フライドチキンを売り始めたのも、サンダースが経営していたガソリンスタンドの一角で始めたレストランのメニューのうちの一つだったそうです。それがとても人気だったのがきっかけでフライドチキンチェーンとして成長していく。

しかも実際にチェーン店として大きくなっていったのはサンダースが60歳を超えた頃です。

これを見ると、サンダースは子供の頃将来の夢をもっていたとしても、日々の生活に終われそれどころではなかったように思えます。まして「フライドチキンで大成功する」なんて夢にも思わなかったことでしょう。

「将来の夢」というものを持てなかった私はこの話がとても大好きで、私の勝手な解釈では「行き当たりばったりでもなんとかなりそうだ」「遅すぎるということもない」ということです。

もちろん明確に「バルセロナで大活躍するサッカー選手になる」という目標があるならそれはそれでいい。

そうではなく将来の夢などなくても、ある日突然見つかることもあれば、突然成功することもある。長い人生だから年取ってから見つかってもいいし、見つからなくてもいい。

だから今現在将来の夢がない小学生・中学生・高校生も別に気にすることはないのです。

だから「将来の夢」って、ネットで性格診断にかけたりして無理やりひねり出したりしなくてもいいのです。

将来の夢がない人が「将来の夢」作文を書くときはこう書け

とは言うものの、小学生の時の私のように将来の夢がないと現実的に面倒なことが多いのです。

その第一が作文。

「子供は将来の夢があってしかるべき!持って当然!」と学校や親は考えがちです。

その偏った考えが全面に押し出されているのが「将来の夢作文」。

コンクールだったりするから余計難儀するわけですね。

私は幸い就職活動までこういうことはなかったのですが、小学生や中学生で将来の夢がない人がこんな作文を書かされるのでは大変。

将来の夢が明確でない人が十分想定できるのに、将来の夢を書かせることは実にくだらないのですが、現実書かされるのだから困ったものです。

ではどのように書けばよいのかというと、「将来の夢」とかいう大げさなタイトルだと思うと大変ですが、「ちょっとあこがれている」程度の職業などをネタにして書けばよいです。

そして文章を誇張して書けばOK。

就職活動ではよく使うテクニックなので、「作文」の練習だと思って書けばよいです。将来の夢を文章に表現するのは恥ずかしさもあるとはあると思いますが、小説家にでもなったつもりで書き、割り切りましょう。

書き出しなどに悩む場合は、ネットからコピペでもしましょう。まずは真似・パクリから入るは、とっかかりがないときの鉄則。

「私がパン屋になりたいと思った理由は以下の通りです」

こんなありきたりでもいいのですよ。悩んだら負け!書いているのは小説!フィクション!

小説家なら売れないと生活できませんが、学校の作文なら売れなくてもOK!

内容は以下の視点を軸に考えましょう。

・なぜその職業にあこがれを持ったのか、具体的なエピソード付で。

(東京ドームの巨人戦を見に行った時に、ピンチで出てくるクローザーが、敵チームのファンからの猛然なブーイングにも関わらず颯爽と出てきて「俺が確実に抑えてチームを勝たせる」と言わんばかりの姿があまりにもかっこよく、実際に抑えてチームが勝ち、あんな風に活躍出来たらきっと気持ちいいだろうなと思った)など

・その職業になるために具体的にどのようなことをするのか

(トレーニングや勉強の方法を書く、苦しそうな部分など特に。)

・その職業になるためにどのような経過をえるのか。

(甲子園に出場しスカウトに注目される。そのために高校時代は野球の強豪校に入る。そのために中学までは強豪の野球チームに入り活躍する)など

・その職業に実際になれたとして、自分はどのようなことをしているか

(お金をいっぱい稼いで豪遊する。後輩たちの役に立つような活動をする。慈善活動をする。自分の子供にかっこいいところを見せる)など

こんなことを肉付けしながら書けば原稿用紙2枚分くらいにはなるでしょう。

作文の締めは「私は○○になるために、毎日努力していきたいと思います」とかでOK。

CM)炎心塾生は「将来の夢作文」が課題で出たらもう少し詳しく教えますよ。くだらない課題はさっさと終わらせて成績上げる勉強!

将来の夢がない人の文理選択

高校生、最近では中高一貫校で文系か理系かを選択させられることがあります。

国語・英語嫌いの数学好きで文系選択をした私のように将来の夢がない中学生・高校生でも、この文理選択は真面目に考えなければならないことの一つとされています。

しかし、先ほども言った通り将来の夢ややりたいこととは無理やり引っ張ってくるようなものでもないので、あまり気張らずに選択しましょう。

この後の「将来の夢がない人の大学選び」も考えつつ文理選択をするとはかどります。

「基本的には理系に少しでも興味・関心・得意があるなら理系」ということ。

理系から文系に転向するのは比較的簡単ですが、逆は大変なことが多いからです。

・宇宙が好きだから理系

・数学が他より得意だから理系

・遺伝学にちょっと興味あるから理系

・アリの生態に興味があるから理系

これくらいでもいいので理系選択を軸に考えるといいと思います。

そのほか選択の参考になるものとして以下のものがあります。

・異性が多いor少ないで選ぶ

本当に選ぶ基準が他にない人向けです。

社会的に良いかどうかは別として、理系は比較的男子、文系は比較的女子が多い傾向が強いです。偏差値が70近い最上位層になるとあまり男女は関係なくなりますが。

なので、クラスに男子が多い方がいい人は理系、クラスに男子が少ない方がいい人は文系、クラスに女子が多い方がいい人は文系、クラスに女子が少ない方がいい人は理系、といった選択です。

将来の夢がない人の大学選び。学歴中心主義!

大学選びは文理選択よりもう少し打算的に考える必要があります。

中学・高校で何を多く勉強するかで大学選びの選択肢が変わるからです。

将来の夢がない人にとってはなるべく選択肢は多い方がよい。

楽に走り選択肢を狭めないほうがいいです。

将来の夢がない人はなるべく高学歴になるようガンバレ!

中学生・高校生では「社会に出たらなんだかんだ言って学歴が重要」という社会の現実はピンとこないかもしれません。

まあピンとこなくても大丈夫です。

「楽をして儲けられることはない!」という社会の大原則さえピンとくれば。

つまり苦労すれば後々儲けれる可能性は高くなるのです。儲けることに限らず、後々選択肢が広いのが高学歴です。儲ける労力の代わりに「そこそこの稼ぎで楽をする」ということも高学歴なら可能な場面が多いのです。

さて、中学生・高校生ができる苦労とはなんといっても勉強です。

将来の夢がない人は「とりあえず苦労して難関大学に行け!」ということです。

別に「あの大学はなんとかの研究が優れているらしいから行く」とか考えなくてOK。そういうのは将来の夢が明確な人が考えるべきことです。

「将来の夢がないから偏差値が一番高いところに行く」っていう感じでOK。

可能なら東大に行けということですね。ドラゴン桜みたいな。

なるべく高い偏差値の大学に行くには自分の得意科目次第

さて、なるべく高い偏差値の大学に行くとして、それでも大学の選択肢は多い。

でも大学ごとにどの受験科目を重視するかは配点に表れます。

例えば東大などは文系・理系でやや違いはあるものの総じて全科目平均的に見ます。

私が受験したころは国公立なのに数学onlyとかいう猛者な大学もありました。(後期課程)

あるいは私の母校一橋大学は英数ができれば結構なんとかなってしまうような配点だったりします。

私立大学だと受験科目数が少なく、しかも特定の科目が重視されているということが多い。

なので、自分の得意科目を重視する大学で偏差値が高いところを軸に考えるというやり方でOK。

私の例で言うと、私は文系選択したくせに数学が得意科目だったので、それを軸に考えました。

実は、文系数学はとてもオイシイのです。

国公立を中心に文系でも数学を課す大学はあるのですが、軒並み難関大学なのですよね。

それでいて文系の数学なので理系より簡単。ライバルも数学が苦手な文系の人間が多いわけなので有利。

理系から数学が得意な人が転向してくることも多いのですよ。

ゆえに一橋・慶応・横浜国立大学・神戸大学あたりが選択肢に(当時)挙がりました。

ちなみに当時は横浜国立大学・神戸大学の後期課程に数学onlyの受験がありました。私にとっては最強の併願校でした。

基本的に数学ができると有利です。逆に数学が受験科目にないとなると選択肢が狭まります。

就職後(学閥的に)に有利な大学を選ぶ

将来の夢がない人にとって、なんとなく大学に行きなんとなく就職することが多いのですから、選んだ大学が就職後有利だと良いですね。

ところで高学歴ほど就職が有利というのは、社会の公然の秘密なわけですが、実際に会社に就職すると単に高学歴だということに加えて重要なことがあります。

それは学閥という考え方です。

私は大学選びのときこの視点が欠けていました。普通の中学生・高校生は欠けていて当たりまえですがね。

学閥とは簡単に言えば「会社内カーストの最上位層に多い出身大学」のことです。

学校でも「スクール内カースト」なんて考え方がありますね。「リア充グループ」と「まあまあリア充グループ」と「そうでないグループ」。最近では「陽キャ」「陰キャ」なんて表現するのですかね。

呼び名は時代変遷あるものの、学校内では暗黙の了解で自然とこのようにグループ分けされていくのは心当たりがあるでしょう。

会社内でもあります。

そして会社内では「社長など経営層に出世するグループ」「役員止まりのグループ」「部長・課長止まりのグループ」「その他大勢」といった、出世を軸にしたグループ分けがあります。

そして特定の大学の卒業生が出世しやすいというのが学閥です。昔ながらの大企業に多いです。

これは企業によって異なります。

ある企業は東大(霞が関の省庁もこれですかね)、ある企業は早稲田、ある企業は日大、といった具合に。

ちなみに私が一番長く務めた会社は慶応の卒業生がやたら経営層に近いようでした。

基本的に卒業生が多い大学が有利な傾向にあります。数は単純に力。

また慶応義塾大学は昔から経済界とのつながりが深いので、慶応閥な会社は割と多め。

私大受験や併願を考える人で特にやりたいこともない人は慶応受験はおススメです。

また入社したては不安なことが多いですが、「あいつは俺と同じ大学だ」というだけで先輩から好意的に見てもらえたり仕事上つながりができたりして学閥的に有利な会社ではいろいろ便利です。

将来の夢はなくてもいい!でも苦労はしろ!

さあ!もう将来の夢がなくて悩んでることもないでしょう?

少なくとも将来の夢とか漠然としていてもあまり無理に悩む必要はないということです。

でも、勉強はしてください。

もっと端的に言えば学歴をつけてください。

学歴社会はなんやかんや問題だと言われますが、何もない人がある程度人生を楽に過ごすわかりやすい方法でもあります。

将来の夢がなくても何もしなくていいというわけでもありません。

何もしなければ一部の金持ちや家業がある人、特別な才能がある人を除いて、そのうち生活していけなくなるのが現実です。

さあ、何もない人こそ勉強しよう!