高校によっては夏休みなどに「勉強合宿」がある場合があります。
あるいは塾でも「勉強合宿」を実施するところがあります。特に中学受験塾の合宿は有名です。
泊まり込みで期間中ずっと勉強するわけですからなんだかものすごく成績が上がりそうな雰囲気ありますよね。
一方で、参加せずに家で勉強していた方が捗るんじゃないの?という声もあります。
そこで、塾や高校の勉強合宿に行くべき人や行くべきでない人についてを解説します。
学校や塾の勉強合宿のメリット①
高校によっては勉強合宿がありますが、「正直行くのがめんどくさい」「家で勉強していたい」と考えている人もいるでしょう。「自由時間がなくなる」という気持ちもあるかもしれません。
それでも合宿に行ったら行ったでメリットはあります。
環境から刺激を受けられる
まず挙げられる合宿のメリットとしては、非日常的な環境から刺激を受けて勉強がはかどることがあります。
私が住んでいるところは割と田舎でリゾートホテル地が近いため、よく勉強合宿のバスが何台も連なってやってきます。
想像してみてください。
そこはまさに非日常。周りは海や山ばかりで目的地に近づくたび「自分はここで何日か勉強するんだ」と否応にも勉強する意識が高まります。バスを降りたらその緊張感は増し、勉強する会場に着いたらその緊張はピークに。普段一緒の友達も一緒ですが、友達もどうも目つきが普段と違う。あなたが緊張しているように友達も緊張しているのです。
「自分も相当勉強しないといけないな」という気分にさせられるでしょう。
互いに互いの勉強に対するモチベーションに火をつけるでしょう。
夏休みに受験勉強を本格的に始めようというときに、最初のスタートダッシュとして使うには良いきっかけとなるはずです。特別な環境・いつもと雰囲気が違う友達、みんなで集まって勉強することで刺激を受け、勉強意欲を高められることが勉強合宿のメリットの1つと言えます。
長時間の勉強に耐えられるようになる
勉強合宿では食事やお風呂、自由時間以外はずっと勉強をすることになります。自由時間といってもそれほど長い時間ではありません。それ以外はすべて勉強!
特に夏休みから本格的に受験勉強をしようという人は、始めての長時間の勉強はかなり辛い経験になるでしょう!
一日10時間勉強したことありますか?
それでも非日常的な環境にいて、基本的に家に帰ることもできない以上、長時間勉強せざるを得ないわけです。
合宿が終わる頃には長時間の勉強に耐えられる精神力がついているでしょう。
もはや4時間くらい勉強するなら「まああの勉強合宿で10時間やるよりマシだな」くらいには思えるようになるでしょう。
10kgのダンベルを持ち上げてしまえば、4kgのダンベルは軽く感じるのと同じです。
受験までの時間は皆同じ。そのため、1日のうちより多くの時間を受験勉強に充てられるほうが有利なのは言うまでもありません。
学校の勉強合宿のデメリット
それでは次に、学校の合宿のデメリットを考えてみましょう。何も考えず合宿に行けばいいってものでもないですよ。子供にとっても親にとっても。
友達がいることでお互い甘える
学校の勉強合宿ということはある程度友達も一緒にいくわけです。
みんながみんな合宿期間中ずっと真面目ならいいわけですが、そうでなければ一緒にダラけてしまう恐れもあるわけです。夏休みから勉強を本格化させよう!というきっかけとして合宿に行ったはずが、なんとなくダラけて終わってしまった!なんてことになったら、スタートとしては最悪です。
そういう子は長い受験勉強自体を甘く見るきっかけとなるでしょう。
「まあなんとかなるんじゃね?」的な。
お泊り会的にウキウキした気分の子の場合は参加を考え直したほうが良いでしょう。
勉強合宿の雰囲気が合わない
子どもの性質にもよりますが、勉強合宿の「全員必ずやりきる」というような雰囲気が合わない子もいるでしょう。
集団のペースで物事が進むのが苦手な人。私はそういうタイプです。
「環境から刺激を受けられる」ということ自体苦手だという子もいるでしょう。合宿では自宅とは環境が大きく違う。そのせいで集中できないという人もいるわけですね。
時間の無駄
まず移動時間が無駄です。合宿の場所が住んでいるところから近いならまだしも、他県に移動!なんていうと移動時間で2~3時間、往復で5~6時間などとなってしまいます。
単純に無駄ですね。
それでも長時間勉強に集中できるなら移動時間の無駄を補うことはできますが、それも子どもの性質次第。
お金の無駄
合宿ですから、泊りの費用、移動の費用が掛かるわけです。ちょっとした旅行くらいの費用はかかるわけです。
「自宅で勉強しても同じじゃないの?」とちょっとでも思ってしまうなら、費用分は確実に家庭にとって負担になります。学校の勉強合宿ならば、不必要に講師代とかかからないので塾の勉強合宿よりはましでしょうが。
自分のやりたいことができない
合宿では合宿の特別授業などでスケジュールが組まれていることが多く、自分のやりたい勉強を自由にすることができません。自分のやりたい教科と違ったり、現在の自分のレベルと違いすぎると自習をしていた方が効率的です。
家でいいのですよ!
塾の勉強合宿のデメリット
費用が高い!
親として気になるのは塾の勉強合宿は学校の勉強合宿以上に費用がかさみます。
某大手中学受験塾では4泊5日で8万超となかなかしびれる金額です。
その他も夏合宿の相場は6万から9万程度というところです。
例えば100人も参加者がいれば、団体料金ですね。しかも子どもばかりだから、4泊5日としても1人あたりの宿泊費は2~3万といったところでしょう。交通費も団体で行くわけですから1人当たりは知れています。
つまり旅行代金としてはせいぜい4万がいいところ。
あとの4万くらいは塾側の取り分なわけです。講師の人件費を引いても参加者が大量であることを考えればしれたものです。
とても儲かるな合宿。炎心塾でもやろうかしら?
意味ないからやらないけど。
しかも夏期講習費は別であるわけですよね?夏休みとは塾業界にとっては最高の稼ぎ時なのです。
勉強合宿に参加する意味はあるけどデメリット多め
以上、学習面では勉強合宿はメリットもあればデメリットもあります。
「夏休みから本格的に勉強する精神・生活習慣にしたい!」というなら、非日常な勉強合宿に行くのはアリです。何かを大きく変える(受験勉強態勢にする)なら環境をガラッと変えるのはとても良い手です。
そうでもないなら、自宅で自習でも良いです。ただし何を勉強するべきかは自分で計画を立てておく必要があります。勉強合宿に行けばほぼ半強制的にやらされるわけですからね。自宅ではそうした強制力がありません。
そして費用面は単純にデメリットです。
でも、特に塾からは「夏期講習や夏合宿に行かないと勉強は一気に遅れます。このままでは志望校合格まで大きく後れをとるかもしれません」などと脅されていて、実際その通りなのかもしれません。
そんなことにならないよう、夏休みが始まる前、1学期のころから受験までどのようなスケジュールで勉強していけばよいのか担当講師に確認しておくことをお勧めします。
それも1学期の早い時期に「合宿はいまのところ参加するかわかりませんが、もし参加しないとしたらその場合夏休みは何をやればいいですかね?」と聞いておくことです。
夏休みが近づいてくると塾側も、夏期講習や合宿を売り込んでくるようになるので、「いや合宿に参加しないのはきついでしょう」とかあまり取り合ってもらえないかもしれませんが、1学期の早い時期なら塾側も売り上げに追われてなく余裕があります。その段階で聞いておくのが良いです。
やるべきことが分かっていて前倒しで受験までのスケジュールを片付けておけば、別に夏期講習も合宿も必要ないですからね。
特に受験学年でないのなら、ことさら焦る必要もありません。合宿に行こうと行くまいと、勉強すべきことができていればどっちでも一緒です。
なお、CMですが炎心塾では夏期講習も、もちろん合宿も設定がありません。どこの塾も夏期講習などといってもやることは復習か先取りで、「夏期講習!」などと特別な名前があること自体意味ないですからね。
夏休みも冬休みも通常の月謝の範囲でいつも通りの日程です。「いつも通り」とは言うものの、炎心塾の通常授業の勉強量が厳しいので常に夏期講習状態とも言えます。必要なら週5で4時間30分やってもらいますからね!